語学力が活かせると飛び込んだ
調達の世界。
就職活動では、営業職に絞りさまざまな企業の選考を受けていましたが、営業ではなく調達の分野にチャレンジしてみないかとエレコムで声をかけて頂いたのが調達職との出会いでした。当時、調達職という仕事がどのようなものかよく知らず、漠然と、需要を読んで数字を追いかける難しい仕事というイメージがありました。しかしエレコムは海外に多く取引先をもつファブレスメーカー。取引先と交渉やコミュニケーションをとることは営業職と変わりなく、加えて留学で得た中国語のスキルもこのフィールドなら活かせるのではないかと入社を決意しました。

私が担当している調達の主な仕事は、商品の仕入れと納期調整、原価の交渉、在庫管理など多岐にわたりますが、仕事に慣れるまでは失敗の連続。自分が計算して発注した仕入数と実際に必要な商品数に差があり、在庫を抱えてしまうなど、単純に表面的な数字だけ見て計画するのではなく、前年の実績をベースに、数字の裏付けとなっていた施策や背景まで考慮しなければならず、経験の浅い私にはわからない事だらけでした。何度も失敗を重ね、悔しくもどかしい気持ちになりましたが、そんな時は先輩や上司が「なぜ失敗したのか」「次はどうするべきなのか」を都度一緒に考えてくださいました。改善方法を検討・実行することで、少しずつですが手応えを感じるようになりました。

また、納期調整や原価の交渉は、中国の製造工場を訪ねて直接行います。交渉の場では、お互いにとって有益な条件であることをどれだけ相手に証明できるかが大事。そのことに気がつくまでは、一方的にこちらの要求を突きつけてしまうこともありましたが、今は交渉の前段階で事前に開発部に確認を行い、提示する価格の根拠をしっかり持ち、更には最終的な着地点まで見据えて挑むようにしています。中国では「自ら折れる」という文化が無く、やりたくないことは断じて了承してくれません。学生時代にも感じていたことなので抵抗はありませんが、予めそのようなことも予測した上で、我慢強く話をするなど、交渉スキルは日に日に上達しているのを感じます。一方で、中国の方は一度信頼関係ができるととにかく親切で、こちらが遠慮するほど手厚くもてなしてくれることも。仕事を通していろんな価値観に触れられて日々充実しています。
億単位の数字を動かす
重責とやりがい。
エレコムグループは、若くてもやる気があればさまざまなことにチャレンジできる会社。私も入社半年以降は基本的にすべての仕事を一任されています。早い段階で独り立ちできたことは素直に嬉しく思っていますが、任されてすぐの頃は、10億円以上という売上に関わる重圧に押し潰されそうな気持ちになることもありました。しかも、単価の高いハードディスクやネットワーク関連を担当しているため、納期が少しでも遅れると売上も億単位でショートすることもあり得る仕事。そんな中で転機となったのが、昨年末の商戦期でした。商戦期は通常よりも大きな金額の仕入れを扱うのですが、数量や原価が直前の確定となり、納期が間に合わないかもしれないという厳しい状況に。その状況に対しても、仕入れ先に丁寧に交渉を行い、出荷工場から日本までの経路を見直したことで納期を確保し、無事想定していた売上につなげることができました。この経験は自信になったことはもちろん、自分の段取りひとつで、会社の売上に大きく貢献できる調達という仕事の楽しさにも改めて気がつきましたね。
調達の仕事は、一人で完結するのではなく、開発や営業企画とも密に連携しています。原価交渉では、どういった試算で今の価格が出されているのか、どの部材が価格交渉できるのかといった細かい部分まで開発と擦り合わせておく必要があり、仕入数を検討する際は、どのような企画で売り出すのかといった営業企画の意図を掴んでおくことも必要です。開発から最終的な売上まで把握することが必要な業務のため、必然的にエレコムグループのビジネスの全体像が俯瞰して見えるのも醍醐味です。
グループ化や世界情勢に合わせて、
広がるフィールド。
最近はグループ会社の商品も広く取り扱うようになり、年々グループシナジーが拡大しているのを肌で感じています。私自身も、グループ会社との連携業務となるカメラやレコーダーなどセキュリティー関連製品の担当となりました。これは、エレコムグループとして戦略的に力を入れているBtoBで、開発や営業とも力を合わせて売上目標を達成するために日々奮闘しています。現在はまだ中国や台湾との取引が多いのですが、米中貿易摩擦の影響から、工場が中国から東南アジアへと移転する動きが増えてきました。私の担当している仕入先の工場もタイに移転することが決まっており、今後はベトナムやミャンマーあたりにも取引先が増えてくるのではと予想しています。こうしてフィールドが広がることで、これまでにない新しい経験が積めるのではと今から楽しみにしています。
エレコムグループは、とにかく新しいことに踏み込んでいく会社の集合体。この先もきっと、まだ誰もやったことのないような新規事業を生み出していくことでしょう。会社の成長とともに広がるフィールド、世界の動きに応じて変化するフィールドに対して、私自身も自分で限界を作らず、挑戦の範囲を積極的に広げ、成長していきたいですね。
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