これまでの営業ノウハウが生きる、
営業企画の仕事。
エレコムに入社したのは今から10年ほど前、今は量販営業企画チームに所属しています。私は理系学部出身ですが、就職活動では研究職ではなく多くの人とコミュニケーションがとれることに魅力を感じて営業職を志しました。その後エレコムで内定、希望通り量販営業で名古屋支店に配属されました。新人の私がまず驚いたことは、『エレコムの営業は自由度が高い』ということ。自分がどういう提案をするのか、どうやって売り上げを作っていくのかの判断は自分次第なので、実績を上げた時の喜びもひとしおでした。もちろん最初の頃は先輩や上司と相談しながらトライアンドエラーを繰り返し、徐々に優先順位をつけ効率よく営業に行くことができるようになり、成果が出るように。お客様のニーズに応え、お客様と喜びを分かち合えるのも営業ならではでしたね。量販営業としてのこの3年間の経験が現在の仕事の原点になっています。
営業企画の主な仕事は、新商品の立ち上げと既存商品の売り上げ拡大です。言葉にするのは簡単ですが、一筋縄ではいかない複雑な仕事も多いです。というのも、製品を生み出す開発や実際に全国で売る営業はもちろん、適正数量を仕入れて調整する調達や販売促進ツールを作る製品プロモーションチームなど、それぞれミッションの異なる様々な部署の方と連携を取りながら『どうしたらより多くの方に商品を届けられるのか』を考える必要があるからです。
業務の一つとして、全国にいる営業へ新商品の資料や行って欲しい施策を発信するのですが、そんな時こそ現場で活躍する営業の気持ちに寄り添うように心がけています。また、発信する施策は会社全体の売上を左右するものですから経営的な視点も求められます。会社サイドと営業サイドの両者の事情や状況、タイミングを踏まえた適切な判断を行うために、現場での営業経験は私の中で大きな糧となって活きています。
分析、検証、そして想像、
商品を送り出す醍醐味。
たとえば新製品を出す際は、マーケットのニーズを分析し、開発の意見や視点も踏まえながら最終的な製品の方向性を検証する必要があり、その判断によって製品の売上に直結するため責任も重大です。またその上で、営業が持参するための営業用資料の制作や販促物の企画、売価設定、さらには売上予測に合わせた初回の購買数なども決定するため、俯瞰的な状況把握と客観的な分析能力が求められます。中でも市場分析は営業企画の業務の中でも特に重要な仕事のひとつ。それを最初に実感したのは、今となればほんの小さな出来事ですが、企画に異動した最初の年のことです。開発が企画した電子辞書のカラーバリエーションにピンク色があったのですが、開発サイドの想定とは異なり、実は売り場の傾向として赤色の商品の方が売れているという分析結果が。その分析結果をもとに開発に相談し、赤に変更となりました。自分の一言でつくる製品の色が変わることもあれば、仕様や値段、売り方が変わる。営業代表として意見を出すことができる。会社や売上に対しても大きな影響力があると初めて感じたこの瞬間は嬉しくもあり、大きな責任を感じた瞬間でもありました。「どうすればその製品が売れるのか」「お客さまは何を求めているのか」何度も自問自答し、分析と検証と想像を重ねながら、自分がイメージした通りに売上につながったときは、とても大きな達成感を感じています。
一方、既存商品の場合は、チラシの掲載価格や、売り場を再検討し、現状よりも売上が拡大する戦略を考えます。今のトレンドや社会情勢、現場を読む力や、売り場のプロデュース力が必要となるので、営業経験で得た感覚はもちろん、実際に取り組んでもらう現場の営業に積極的にコミュニケーションを取りながら企画を練るようにしています。
現場の声に耳を傾け、
会社の成長を支えたい。
今、私が担当しているのはヘルスケアカテゴリですが、このカテゴリにおいてエレコムのシェアは決して高いとは言えません。新規参入だからこそ、他社と同様の機能や性能の製品ではなく、常に『エレコムらしいおもしろい』ものや目新しいのが求められます。正直なところ、極めてハードルの高い要求だからこそ、なにかやってやるぞ!という気持ちになりますね。
ヘルスケアカテゴリで達成感を得られた製品は新しい体組成計、業界初のMRI推定方式を採用したもので、競合製品よりも更に正確な体組成値を期待できる最初の製品です。開発が総力を上げて作ったこの製品の画期的な特長を営業が現場でアピールするために、どうしたら良いかを関連部署と打ち合わせを繰り返しました。そこでたどり着いたのが他社は売り場の販促に注力していない、ということ。すぐに売り場で流す動画を作成、店頭POPも狭い売り場でも使えるようにいろんなサイズで制作し展開。もともと0%だった体組成計のシェアを、発売一年目に5%、最高で10%まで伸ばすことができました。
この体組成計の一件でも言えることですが、営業企画として、売り場や市場の状況を正しく把握することは大きなヒントになります。過去の実績や市場データだけで判断するのではなく、「今、現在の売り場はどうなのか?」の声をより多く聞き、現場に出向き、何をすればより良い成果が上がるか考えること。そしてその考えを、恐れず開発を始め社内の人間に伝えることが大切です。仮に失敗してもしまっても『とにかくやってみる、失敗を恐れない』、そんな風土が私らしくがんばろうと思わせてくれます。
これからは、量販営業企画チーム内での役割も考えていかなければならないと自分自身感じています。目の前の仕事だけではなく、チームの中で頼られる存在になれるように。冷静な視点と持ち前の負けん気、そしてコミュニケーション力を更に磨き、私自身が成長することがエレコムの成長につながると考えています。
一覧に戻る