尽きることのない
デザインへの探究心で
新たな製品に挑戦し続ける。
Y.Mさん
2015年度入社
商品開発部 デザイン課

「出る杭は引っ張る」がエレコム流。
挑戦心を掻き立てる自由な環境。

エレコムグループでは、製品カテゴリごとに開発チームが分かれ、それぞれに開発担当やデザイナーが所属しています。私も入社以降、「メモリ&ケーブルチーム」や「オーディオチーム」など、様々なチームに加わってデザインを経験してきました。

この頃の代表作が、「hexa(ヘキサ)」という回転式の電源タップです。差込口がひとつずつ回転する仕組みで、タップ本体の大きさを最小に抑えながらも充電器などを複数挿しても隣と干渉しないようになっています。また、外観を六角形にすることで回転させた際の形状バランスやプラグ差込時の安定性も考慮したデザインとなっています。

電源タップは製品化する上で安全性を考慮した形状や素材等の制約が多く、回転する機構を技術的に実現させることは非常に難しいため、商品開発の担当者も最初は「無理だろう」と消極的でした。それでも代わり映えしない電源タップの市場では新たな価値になる上に、「出せば売れる」と思っていただけたようで、なんとか開発を進める方向で動いていただけました。

試行錯誤を繰り返し、2年かけてようやく製品化が実現した時は、自分でも満足するものができあがり、感無量でした。発売から5年が経ちますが、売れなければ1カ月で終売になる製品群の中で、今もなおコンスタントに売れ続けています。グッドデザイン賞も受賞し、対外的な評価も得られたことで、胸を張って誰かに勧められる製品となりました。

このアイデアを出したのはまだ入社1年目でしたが、「出る杭は引っ張る」、「失敗を恐れず挑戦する」ことがエレコムグループの風土。実績や社歴に関わらず、やってみたいことに自由に挑戦できる環境があり、たとえそれが困難なことであっても、熱意とデザインに対する想いに応えてくれる仲間がいたからこそ出せた結果でした。

綿密な調査と研究で
看板製品のマウスをリ・デザイン。

現在は、2018年に新設されたデザイン課に所属し、マウスやイヤホン、ルーターなど約30件以上のプロダクトデザインや、パッケージデザインのディレクションを並行して進めています。デザイン課の役割は、製品カテゴリを問わず会社全体の製品のデザインを行うことです。デザインのみを専門で行う課となるため、そのアウトプットには高い質が求められます。

もともと幅広い製品のデザインを経験したくてエレコムグループに入社したので、全製品を横断的にデザインできる今の環境はまさに理想です。ひとつの製品を作り終えると知識やノウハウが蓄積され、さらにその知識を他の製品開発に応用できるという好循環が生まれています。

特に印象に残っているのが、エレコムグループの看板製品であるマウスのデザインです。ボールを指で動かして操作するトラックボールマウスと呼ばれる製品で、それまでデザインしてきた電源タップやUSBメモリなどスクエア型の製品とは異なり、極めて有機的な形状をしているので、非常に難易度の高いデザイン案件でした。その上、社内でもトップクラスのスキルを持つ現在の上司がデザインした現行モデルを超えなければならないというハードなミッションでプレッシャーもありましたが、同時に、花形製品を任せてもらえることにモチベーションは高まっていきました。

デザインにあたっては、通販サイトに投稿されている既存製品のレビューを何千件と読み込み、改善点を洗い出すところからスタートしました。手の乗せ心地やボタンの配置、指の可動域など細部にまで配慮してデザインを進めた結果、上司にも納得してもらえる製品が完成しました。自分でも非常に満足できましたし、やる気や自信もさらに高まりました。ただ、あれから3年経った今は手も目も肥えて、当時のデザインに改善点が見えてきています。現在、新型マウスのデザインを複数台同時に進めている最中なので、必ず前作を上回り、多くのユーザーに満足いただけるような製品に仕上げたいと思います。

ジャンルに縛られない自由さとスピード感のある開発環境で
生涯現役デザイナーを貫きたい。

エレコムグループの強みのひとつは、新製品開発のスピード感。速いものでは企画から3〜4カ月で発売されます。それは、創業以来自社工場を持たず、その分野に特化した工場に製造を依頼できるネットワークを構築してきたからこそ実現できることです。製品ごとにイチから製造ノウハウを確立する必要がないため、開発できるジャンルも制限がなく、新しい領域を開拓しやすい体制でもあります。

スピード感があるということは、市場に一番乗りができるということに繋がります。いち早く店頭に製品が並ぶと、エレコムグループの独占市場になる可能性が高くなります。その後でいくら他社が参入してきたとしても、当社の優位性は変わりません。このビジネスモデルをフル活用し、エレコムグループは市場にマッチした製品を出し続けてきました。「一番に世に出す」というのは開発部の誰もが目指す境地で心地良いプレッシャーにもなっています。

エンドユーザーにとって最適な形や機能、体験を提供し、日常生活がちょっと豊かになるデザイン。ささやかではありますが、だからこそ奥が深くやりがいがある。これが私の目指すデザインです。これまで数えきれないほどの失敗もしましたが、スピード感を持って作りたいものを作れる自由な環境、そしてデザインに対する熱意や向上心が高い方が集まっている今の環境で仕事ができることに充実感を得ています。

今後も、生涯現役デザイナーであり続けたいです。どれだけ歳を取ろうと、役職に就こうと、ずっと現場でデザインをしたいと思っています。私がデザインした製品を使って喜ぶエンドユーザーの声を聞くために、常に以前の自分を超える製品を作り続けます。

「変化と順応」×可能性=

エレコムグループは、目まぐるしく変化する環境に人が順応するための「架け橋」となる製品やサービスを提供している会社です。変化とそれに順応するニーズをいち早く察知し、既存の領域にとどまることなく新しい製品や事業に挑み続ける。それがエレコムグループの可能性を広げていくのだと思います。