「出る杭は引っ張る」がエレコム流。
挑戦心を掻き立てる自由な環境。
エレコムグループでは、製品カテゴリごとに開発チームが分かれ、それぞれに開発担当やデザイナーが所属しています。私も入社以降、「メモリ&ケーブルチーム」や「オーディオチーム」など、様々なチームに加わってデザインを経験してきました。
この頃の代表作が、「hexa(ヘキサ)」という回転式の電源タップです。差込口がひとつずつ回転する仕組みで、タップ本体の大きさを最小に抑えながらも充電器などを複数挿しても隣と干渉しないようになっています。また、外観を六角形にすることで回転させた際の形状バランスやプラグ差込時の安定性も考慮したデザインとなっています。
電源タップは製品化する上で安全性を考慮した形状や素材等の制約が多く、回転する機構を技術的に実現させることは非常に難しいため、商品開発の担当者も最初は「無理だろう」と消極的でした。それでも代わり映えしない電源タップの市場では新たな価値になる上に、「出せば売れる」と思っていただけたようで、なんとか開発を進める方向で動いていただけました。
試行錯誤を繰り返し、2年かけてようやく製品化が実現した時は、自分でも満足するものができあがり、感無量でした。発売から5年が経ちますが、売れなければ1カ月で終売になる製品群の中で、今もなおコンスタントに売れ続けています。グッドデザイン賞も受賞し、対外的な評価も得られたことで、胸を張って誰かに勧められる製品となりました。
このアイデアを出したのはまだ入社1年目でしたが、「出る杭は引っ張る」、「失敗を恐れず挑戦する」ことがエレコムグループの風土。実績や社歴に関わらず、やってみたいことに自由に挑戦できる環境があり、たとえそれが困難なことであっても、熱意とデザインに対する想いに応えてくれる仲間がいたからこそ出せた結果でした。